臥牛山3月18日・上司と部下
「仕事、けり付くか」「もうちょっとで」「早く終わらせれよ、行くぞ」…臥牛子が駆け出しのころ、外が暗くなった時間の先輩や上司との会話だが、そのおごってもらう飲み会が勉強の場でもあった▼6畳一間の部屋にはテレビもない。真っすぐ帰ってもわびしいだけ。食事代はかからず、いろいろと教えてもらえるのだから「行くぞ」は一石二鳥の誘い。断る理由などどこにもない。そして自分が先輩となった時…▼誘いの頻度は少なくなったものの、後輩もまだついてきて、駆け出し時代の名残りはあった。管理職の立場になった時には…誘いを避けるように。気乗りしない雰囲気を肌で感じ始めたからだが、この間、40年余り▼時代は移り、生活感、社会的価値観も、仕事に対する意識、人間関係のあり方も変わった。当然と言えば当然、そこに善し悪しの判断を挟むのは妥当でないが、浮かび上がる現代像は、日本能率協会が行った調査が物語る▼一般社員の7割が「仕事以外で上司とは付き合いたくない」と。その内容のトップは食事や飲み会という。そこに一抹の寂しさを覚えるが、現実は現実。管理職などの上司にとって、この調査結果は頭に入れておく必要があるのかもしれない。(A)