臥牛山3月17日・野球とお金
例えばビジネスの場合。これから会社で大きなプロジェクトを始めて勝負に出るという時に、自分たちの仕事の成否に対して社員同士で現金をかける―なんてことはあり得るだろうか。他人事のようで考えられない▼プロ野球界が激震に見舞われている。巨人で野球賭博に関わった4人目の選手が先週現れ、球団の事情聴取の不備が浮き彫りになったばかりだが、今度は試合前の円陣で試合に勝った場合に声掛けを行った選手が他の選手から現金をもらい、負けると支払うなどの行為に及んでいたという▼日本野球機構は昨秋に把握し、敗退行為にはつながらないとの見方を示しているが、いざこれから戦いに出るという時に自チームの勝敗に金をかける。プロ野球選手という自分たちの仕事そのものを冒とくしてはいまいか▼巨人のみならず、阪神や埼玉西武、ソフトバンクでも選手間で金銭のやりとりがあったことが明るみに。どの球団も「験担ぎだった」と説明してはいるが、験担ぎに現金を結び付けるやり方は常識的とはいえまい▼開幕を前に、球団や選手たちの裏側ばかりがクローズアップされる。選手たちには懸命なプレーで、野球ファンのもやもやとした感情を振り払ってほしい。(C)