臥牛山3月8日・聖火台作れるの?
4年に1回の五輪は開会式が見どころの一つだ。開催国の歴史や文化を盛り込んだ演出、各国選手の入場と続き、はるばるアテネから持ち込んだ聖火に火をともす。点灯シーンは見る者の想像力をかきたて、毎回興味深い▼2020年東京五輪・パラリンピックのメーンスタジアムとなる国立競技場。すったもんだの末にデザインが決定したと思いきや、今度は聖火台を最上部に設置できないことが判明した。スタンドは木材を使った屋根で覆われる構造で、消防法上問題となる懸念があるため▼夏季五輪では通常、聖火台は競技場内に設置されているが、JSC(日本スポーツ振興センター)は、大会組織委員会から事前に要望を受けていなかったとの報道も。なんともお粗末な展開▼担当相をトップとする検討チームを発足させ、5月上旬までに取りまとめるというが、それにしても気づくのが遅すぎる。当事者はもちろんだが、われわれマスコミも決定時に指摘できなかった意味では同罪かもしれない▼検討チームの立ち上げは結構だが、そうして貴重な財源を無駄に消費していく。国の財政支援を必要とする人が山ほどいるのに。五輪を開く意義がますます分からなくなってきた。(C)