臥牛山2月26日・がんの10年生存率
人は2人に1人はがんになり、その3人に1人は亡くなる。「がん治療の目安は5年」と言われているが、5~10年の生存率はどうなのか。全国がんセンター協議会(全がん協)がまとめた「10年生存率」を読み返した▼筆者が肝臓と胆のうにがんができ、肝臓の半分を切除して約3カ月。若い人は1カ月もあれば再生すると言われるが、まだ半分も再生していない。再発、転移などの疑いはないと言うが…▼全がん協が全国16施設の約3万5000人を対象に実施した初の10年生存率は58・2%。胃、大腸は生存率70%でほぼ変化はないが、乳や肝臓は下降線をたどり、再発リスクは部位によって異なるようだ▼肝臓は全体で15・3%と低く、筆者の2期でも16・9%で、5~10年の間で生存率が約3割から2割以下に低下している。10年以上前の患者のデータで「今は治療法の選択肢も増えている」というが、経過観察の重要性を痛感▼1月「全国がん登録」が始まった。9000近くの病院に、がんの種類、進行度、治療法、死亡日の情報報告を義務付けた。今回の10年生存率は平均値。実際の余命は患者ごとに異なるのは当然だが、特に「5大がん」は健診を受診、早期発見が大事。(M)