臥牛山2月21日・ラーメン課
役所や役場に設けられている「課」や「係」は仕事も名称もお堅いものだが、全国各地では土地柄が分かるユニークな部署も多い。例えばリンゴの生産振興を担う青森・弘前市の「りんご課」、日本一の山をPRする山梨・富士吉田市の「富士山課」など▼山形県南陽市が新年度から「ラーメン課」を新設すると、19日の毎日新聞が報じている。ご当地で人気の辛みそラーメンなどの情報を発信し、観光客誘致につなげたい考えだという▼ラーメン好きの職員に加えて市民10人程度を課員として募集し、市内の飲食店の実態調査やマップ作り、町のラーメンの特徴などをリサーチするのが主な業務。「われこそは」と思った市民も多いかもしれない▼南陽市は人口3万2000人。山形県南部にあり、市のホームページを見ると開湯920年の歴史を持つ温泉やサクラが売りのようだ。ただ、地縁のある人以外には道民にとってなじみの薄さは否めない▼函館は知名度もブランド力も高いゆえに、〝甘え〟も感じられる。民間が「未来ラーメン研究会」をつくるなど活発で、行政がラーメン課を作る必要性は薄いが、今ある観光資源に一層の価値をプラスするヒントが、南陽の取り組みにある。(C)