臥牛山2月16日・軽量内閣
近年、大臣の存在感が薄くなったのではないか、という話を耳にする。かつては大臣の名前は結構、覚えられていた。それが…何々大臣は誰々とほぼ言える人は、よほどの政治通の人を除いてはいまい▼甘利経済再生担当相(TPP政府代表)は辞任したが、在任中の内閣は3A1S内閣(Aは安倍、麻生、甘利氏、Sは菅氏)とやゆされた。この4人で内閣を動かしているという意味合い。裏を返すと他の大臣の陰が薄いともとれる▼理由は多々ある。就任期間が短くなってきたこと、当選回数など順送りも否定できない。だが、それにしても、である。東京五輪担当相も政治と金の問題を、東日本大震災後の復興相は私的な問題を指摘され、さらに…▼数日前に本欄でも取り上げられた島尻北方担当相。肝心な島の名前「歯舞」が読めなかった。知らなかったのか、論外というほかない。そして法務相は、衆院予算委で答弁に窮し再三、審議を止める失態だ▼大臣ならば懸案問題について、せめて自分の言葉で語るぐらいでなければ。記者会見でも、後から問題にならないように官僚が書いたメモを読む姿が多いのも気にかかる。二階自民党総務会長があえて苦言を呈したのもうなずける。(A)