臥牛山1月8日・アレ貫徹
昨年の世相を反映した四字熟語を創作する。そんな言葉遊びの作品を住友生命保険が募集。歌人の俵万智さんが審査員となり、2万編以上の中から入選50編が決まった。世の出来事をユーモアを交え見事に表現している▼最優秀は「アレ貫徹」。アレといえば、プロ野球阪神タイガースの優勝でお馴染み。流行語大賞にもなった。言わないことを徹底し、目指すところを実現する。まさに初志貫徹である▼優秀作品には9編が選ばれた。目に付いたのは「電高節夏」(電光石火)。猛暑なのに電気代が高く節電に努めた夏を想起させる。高い上に品薄で手に入りにくくなった鶏卵を取り上げた作品は「一家断卵」(一家団欒)である。鳥インフルエンザの影響で店頭から消え、家庭での料理の苦労がにじむ▼新型コロナ禍のマスク着用から開放された様子の「歯顔溢笑」(破顔一笑)も象徴的な変化を言い表す。藤井聡太八冠を題材とした「冠占聡覇」(完全制覇)や、侍ジャパンの「侍士奮迅」(獅子奮迅)は、音の活用が上手と講評にあった▼入選では「麦酒活杯」が印象に残る。減税でビールが多少安くなった。きょうは「成人の日」。待ってましたと祝杯を挙げる若者の活気が聞こえそう。(K)