函館港に今年初めて水揚げされたツチクジラの赤肉が9日、函館市内の鮮魚店などの店頭にお目見えした。待望の初物を求め、多くの買い物客でにぎわった。
中島廉売内の紺地鮮魚(紺地慶一社長)は、赤肉10キロを仕入れ、100グラム当たり150円で販売。でっぷりとした肉の塊が売り場正面にどんと置かれ、店員が「初物だよ、いかがですか」と威勢のいい掛け声で売り込んだ。
紺地社長(54)は「居酒屋の需要が多いが、一般市民でも待っている人がいる。赤肉は軟らかくてうま味があるので、定番の竜田揚げのほか、ユッケ風やステーキのように焼いて食べてもおいしい」と話す。
函館魚市場によると、市水産物地方卸売市場で同日、昨年より0・3トン多い1・7トンが上場され、赤肉は昨年より1~2割高い1キロ1300円で競り落とされた。市場の担当者は「今年は初水揚げが例年よりも大幅に遅れ、スルメイカの話題も一段落ついたので、ツチクジラに注目が集まった」としている。(山崎大和)