【乙部】地元農水産物などを使って開発された商品や料理の試食評価会が18日、町内のバリアフリーホテルあすなろで開かれた。地域住民への成果発表として初めて実施し、地元の味を最大限に生かしたオリジナルメニューをお披露目。参加者は地元食材の魅力を再認識し、今後の販路拡大などに役立てたい考え。
地域商社「おとべ創生株式会社」(田中義人社長)の主催で、農産物生産者や商品開発企業、町議会議員ら約40人が出席。今回に合わせて同ホテルレストランが考案した7品のメニューと町内飲食店が商品化に向け準備を進めるデザート2品を堪能したほか、会場には特産品を活用した商品がずらりと並んだ。
オリジナルメニューは、高級品の乾燥ナマコと黒千石大豆のオイスターソース煮込み、一本釣りで水揚げされたスケトウダラで作ったタラコの天ぷらなど。宮川朝広シェフが一品ずつ説明し、「桧山産の乾燥ナマコは大変高級で味は間違いない。食卓に並ぶタラコや普段煮豆で食べる大豆だけでなく、地元食材をアレンジすることが大事」と話していた。
デザートは町内の「キッチンcafeのどか」が黒千石大豆のきな粉を使ったシフォンケーキ、「居酒屋和がや」のゆり根で作ったプリンがお披露目され、参加者は一品ずつ食材の特徴を聞きながらおいしそうに頬張っていた。寺島光一郎町長は「珍しいメニューばかりで、食材の組み合わせでよりおいしく感じた。町のいいものをもっとPRして農漁業が発展し、大勢の人々に来てもらえる町にしたい」と語った。
会場に展示された商品では、規格外のキクイモやコンブなどを使った酢、ニンニクスープ、大莢白乙女大豆で作った「おとめ味噌」など、完成したばかりのものも並んだ。
酢やニンニク入りのキムチなどを開発したエスピージーフコク函館研究室の森正室長は「廃棄されてしまう未利用資源を加工して付加価値を与え、大勢に食材の機能性を理解してもらいたい」、おとべ創生の田中社長は「地元の食材を再認識してもらういい機会になり、今年は本格的に商品PRをしていく」と抱負を述べた。(蝦名達也)