【北斗】市の特産品のマルメロと大野農業高校の生徒が生産した梨を原料としたリキュールの販売が、JR新函館北斗駅隣の酒店「酒舗稲村屋」で始まった。市のふるさと納税返礼品としての提供も始めた。
マルメロは香りの良い果実。生で食べるのが難しく、用途が限られ、香りを楽しむために飾ったり、温泉に入れたりしていた。市内には多くのマルメロ農家があったが、現在は2軒に減っている。
酒舗稲村屋店主の稲村博大さん(57)は「何か商品化できないかと、新幹線開業当時から考えていた。余市リキュールファクトリーにリキュールの試作品を作ってもらったところ、思っていたより出来が良く、商品化に踏み切った」と話す。
市では2022年に「ワインによる地域活性化検討会議」を立ち上げ、23年、「ワインを核とした地域活性化ビジョン」を作成。その中で、市内農産物の各種用途への活用を盛り込んだ。大野農業高校の生徒たちが作った梨がリキュールとして製品化されたのはその一環。
同会議メンバーで生徒に梨作りを指導した同校の中島綾子教諭(46)は「高校ではブドウ以外に梨やリンゴも作ってますよ、と会議で話したところ、梨でリキュールを作ろうということになった」と話す。
同校では園芸福祉科の生徒が授業で栽培した「千両梨」と「日面紅(ひめんこう)」と呼ばれる梨を昨年10月に収穫。それぞれ80キロずつ、余市リキュールファクトリー(後志管内余市町)に出荷し今年3月、各40キロで100本ずつの2種類計200本が完成した。
「甘い良い香りがします。生徒たちは自分たちが生産した梨が製品になり、誇らしい、ぜひ来年もリキュールを作ってほしいと言っています」と中島教諭。
マルメロリキュールは1本2090円で100本限定。「千両梨」と「日面紅」の梨リキュールは1本1760円で各50本限定。
市のふるさと納税返礼品は、マルメロリキュールは1本あたり1万円の寄付が必要で100本限定。梨リキュールは同9000円の寄付が必要で各50本限定。ふるさと納税に関する問い合わせは、市企画課0138・73・3111(内線236)まで。(加納洋人)