地域資源を活用して観光振興事業に取り組む商工会議所を表彰する「全国商工会議所きらり輝き観光振興大賞」(日本商工会議所主催)で、函館商工会議所が準大賞に当たる特別賞に選ばれた。青年部の発案で函館マラソンのフルマラソン化を実現し、経済効果を創出したことが評価されたもので、同会議所は受賞を弾みに参加者の増加につなげたい考えだ。
全国515の商工会議所から毎年8件前後を表彰しており、今年で10回目。準大賞の「観光立〝地域〟特別賞」の受賞は道内では初めて。
同会議所は、フル、ハーフの同時開催実現に向け、青年部が中心となって2011年に検討委員会を設立。函館市教委や警察との協議をはじめ、住民や企業への説明、市長と知事への要望活動など粘り強く取り組み、16年の初実施にこぎつけた。今年は約7000人が参加し、実行委などによる試算では5億6000万円の経済波及効果を市内にもたらした。
当時、青年部会長としてフルマラソン開催に尽力したホテルニューオーテの齋藤利仁社長は「実現は無理だという人が大半で、意識を変えていくのが苦労した」と振り返る。受賞について「うれしいが、大賞を逃したので悔しい気持ちもある。今後は1万人規模の市民マラソン大会となるよう、人気定着を目指したい」と話している。
表彰式は10日に群馬県前橋市で開かれる「全国商工会議所観光振興大会」で行われる。(山田大輔)