函館商工会議所の常議員会が21日、花びしホテルで開かれ、10月末で任期満了となる松本栄一会頭(76)が今期限りで退任する意向を正式に表明した。後任には久保俊幸副会頭(59)が推薦され、満場一致で了承された。10月26日の臨時議員総会で承認される見通しで、今後決定する副会頭人事を含め、若返りが図られるものとみられる。
常議員会は非公開で行われ、33人の議員のうち26人が出席。会合後、報道陣の取材に応じた松本会頭は、退任の理由について「1期目を終えた頃から、どの時期がよいか考えていた」とした上で「北海道新幹線開業をひと区切りと考え、時代感覚を失わないためにも戦後派の会頭が指揮をとるのが適当だと思った」と話した。
また、2期6年の会頭職で印象に残ったこととして、昨年、北海道縦貫自動車道大沼公園インターチェンジ(IC)―七飯IC間の着工にこぎつけたことなどを挙げた。
後任人事は8月に着手したことを明かし、久保氏を推したことについては「函館JC(青年会議所)の理事長を歴任し、人脈がある上に行動派でフットワークが素晴らしい」とし、東北、北関東との連携加速に向けた北海道新幹線「はやぶさ」の宇都宮駅停車など、自身が残した課題の解決に期待を寄せた。
後継指名を受けた久保氏は「松本会頭にはトータルで足元にも及ばないが、自分は総合調整型。座右の銘である『謙虚にしておごらず、さらに努力を』を忘れず、地道に一つずつ前に進みたい」と語った。
取り組む課題については、自身が道南歴史文化振興財団の代表理事を務めていることを挙げ、「縄文遺跡の世界遺産登録に向けて一層力を注ぎたい」と意欲を示した。
このほか、常議員会では会頭が選任する3号議員15社の再任などが決まった。(山田大輔)