【知内】東京ヤクルトスワローズからドラフト4位指名された坂本拓己投手(18、知内高3年)が11月30日、知内町公民館で入団交渉を行い、契約金3000万円、年俸500万円(金額は推定)で仮契約を結んだ。背番号は56に決まった。坂本は「長く1軍で活躍する選手になりたい」と意気込みを語り、プロへの第一歩を踏んだ。(小林省悟)
坂本は授業を終えて午後4時ごろ、奥尻町から駆け付けた両親とともに町公民館に移動。橿渕聡スカウトデスク、斉藤宜之担当スカウトを交えて約40分にわたって話し合った。
交渉後、橿渕スカウトデスクとともに記者会見。坂本は「ドラフトから1カ月が経ち、最初は実感が沸かなかったが、日に日に実感が沸いてきて仮契約をして(プロへ)近づいてきているなという気持ち」と語った。「長く1軍で活躍することと、小さな野球少年に夢や希望を与えられる選手になりたいとずっと思っていた。そこに向けて取り組んでいきたい」と目を輝かせて目標を語った。
橿渕スカウトデスクは「将来的に先発ローテーションに入ってほしいと指名させてもらった。ストレートの速さ、質が良いので伸ばして頑張ってもらいたい」と期待を込めた。
憧れの選手について坂本は同球団のベテラン左腕・石川雅規投手(42)を挙げた。「1軍で長く活躍している選手。コースに投げ込む技術的なところに憧れ、気持ちも強い人だとテレビを見て思った。気になったことをどんどん聞きたい」と積極的に近づいて投球術を吸収したい意向だ。
故郷・奥尻については「中学まで育ってきた場所。帰ったときにはたくさん声を掛けてもらった。期待に応えられるようにしっかりと練習を積みたい」と力を込める。
背番号の56番は決定。現役時代に同じ番号をつけていた橿渕スカウトデスクは「自分がどうこうではないが、若い人に読まれている漫画『メジャ吾ー』の主人公が56番」と紹介した。主人公・茂野吾郎は坂本と同じ本格派左腕。小、中学時代にテレビでメジャーを見ていたという坂本も「番号を聞いて自分もメジャーを思い浮かべた。茂野吾郎のようなストレートを投げたい」と表情を緩めた。
6日に本契約と入団会見、1月上旬に新人合同自主トレ、キャンプインなどプロ生活の予定が控える。夏以降に自主練習を欠かさず、体重は約5キロ増えて現在85キロ。「どんどん球威が上がってきているのを感じている。球速以上に質にこだわって練習してきた」。希望の1年目へ「まずはけがをしないような体作りをして、早く1軍に上がりたい」とプロ入りへ思いを膨らませた。