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(荒井三津子さん・暮らしのパレット)「親の仕事」

 遅い歩みながら春は確実に近づいている。受験、入学、卒業と親業まっただ中の頃、冬の終わりから春にかけてはドキドキハラハラの日々だった。と、過去形のはずだったのに、今月25歳と32歳になる娘たちが二人とも「今頃」大学院の進学を決めた。
 奨学金を得たり働いた資金での進学なので親の出る幕は少ない。とはいえ「女の子がそんなに勉強したってねえ」と言う日本社会の視線の中、将来を案じなくはないのだが、彼女たちの学問領域はすでに私の理解を超えている。
 親業はやはり終ったのだと思う。時々どうやれば子供の自立心を育てられるかと聞かれるが答えはいたって簡単。手をかけなかっただけである。いや手をかける余裕は全くなかった。広島県から函館に転居した時、長女は中学2年、次女は小学校1年生。問題は私が関西の大学に在籍したまま博士論文の執筆で悪戦苦闘中だったことだ。市内のいくつかの学校で非常勤講師もしながら札幌の高齢の親たちの所にも通っていた。
 恥ずかしながら参観日はもちろん、長女の高校受験の日も忘れた。車がないのでお稽古事の送迎もできなかった。たくさんおしゃべりをしたい時期だったはずだが「まず結論から話してね」というひどい母親だった。なにをするにも「優先順位を決めること」と「自分でできることはやってみること」、これもまだ幼かった彼女たちに言い続けた暮らしのルールだ。
 それが良かったのかどうか、いつ分かるのだろうか。それこそドキドキである。(生活デザイナー)

      暮らしのパレット

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