• 採用情報
    函館新聞社

(荒井三津子さん・暮らしのパレット)「やさしい時間」

 観光地には必ず見るとこと美味しいモノがある。いや、見るところと美味しいモノがあるところを観光地という。だが、それらに頼り過ぎていてよい時代は終わったのではないだろうか。名所旧跡もグルメ探訪も、繰り返し旅人を呼び寄せる力には限りがあるだろう。信心深いリピーターが神社仏閣を毎年訪ねるのは例外である。
 「時間を作ってでも行きたい」。そういう所こそ、今求められているのではないだろうか。不便でも特段の名所・名物がなくても「行きたい」と思わせる何にかがあれば、人は旅に出る。
 先日、函館のホテルに宿泊した。幸い知り尽くした町である。観光の必要はない。ひたすら部屋で講演の準備をしたのだが、つくづく思ったのは、旅の目的は「時間」だということである。時間があれば旅をする、という意味の時間ではなく、商品としての「時間」こそ、忙しい現代人には何よりうれしいのではないだろうか。
 かつて「優しい時間」という富良野の喫茶店を舞台にしたテレビドラマがあった。お客はミルでコーヒー豆を挽(ひ)く。それは最高の小道具だった。函館のホテルには写真のようなセットがあった。流行作家の気分でパソコンに向かって疲れた午後、私は豆を挽いた。良い香りが部屋中に広がった。今度は仕事を抱えた夫や娘たちを連れてこよう。何よりのもてなしは「やさしい時間」だと痛感した。(生活デザイナー)

      暮らしのパレット

      最新記事

      休日当番医
      渡島・檜山管内
      休日当番医(11月18日)
      函館新聞 電子版 お申込み
      ご購読申し込み月は無料

      函館新聞宅配購読お申込み

      お試し(1週間)もございます。

      フリーマガジン「ハコラク」も毎月お届け

      ニュースカレンダー

      紙面ビューア

      函館新聞紙面

      11月18日の紙面

      ※イベント中止および延期となる場合がございますので、詳細は主催者へ直接ご確認頂きますようお願い申し上げます。
      平成31年度私立中学・高校入試 平成31年度専修学校入学案内 2018 大学進学説明会