(荒井三津子さん・暮らしのパレット)「学ぶということ」


 この年齢になり、若い頃はほかの人の3倍以上大学に在籍したのに、まだ学び足りない。コメとコムギについて学際的に研究したくなった。今教えている生物学と食生活論の両方に重なるモノだと気が付いたのだ。
 ヒトという動物がなぜ人間という特殊なイキモノになったのか、コメとコムギをさまざまな角度から見ることで答えが浮き彫りになるのではないか。人間の勤勉さと偉大さも明確になるのではないか。その学びの場として粉食学研究会を立ち上げ、まずは中国出身の友人にコムギを使った家庭料理を指導してもらった。
 予想通り楽しい勉強会となった。餃子のふるさとは中国だと思っていたが、ロシアにもポーランドにもトルコにもイタリアにも酷似した料理がある。餃子の皮を細く切れば、うどんにもパスタにもなる。なぜコムギ料理は形を変えて進化したのか。地理と歴史、生活文化を概観しなければ見えてこないことがあるはずだ。コメとコムギへの関心は粒食と粉食へと広がり、この年齢になって新しい研究テーマを得たのは幸せである。
 時は受験の季節。知は間違いなくチカラである。苦しい受験も含め、若い人には学べる機会は貪欲に生かしてほしい。自分の知恵と知識がどれほど浅いかを知れば、怖くて学ばずにはいられないはずだ。だが残念ながら、私たちは学び舎を去り、社会を歩き始めてからそのコトを知る。学び舎の利用が下手なのは誰のせいなのだろうか。忸怩(じくじ)たる思いである。(生活デザイナー)

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