「『迷ったら動く』がモットー。今年もフットワーク軽く動き回りたい」。函館市内に10カ所ある福祉拠点の一つ、函館市地域包括支援センター亀田(昭和1)の所長として、地域住民から福祉に関する相談を受け、問題解決に向けて奔走している。
函館市出身。市内の高校を卒業後、石狩管内の大学に進学。一般企業への就職を考えていたが、在学中に転機が訪れる。入院していた祖父が苦しそうに最期を迎えたことを目の当たりにし、介護・福祉、支援者の道に進む決心をした。「人生最後の瞬間を望むように送ってもらいたい。その手伝いをしたいという思いが膨らんだ」と振り返る。
江別市内の特別養護老人ホームで13年間働いた後、35歳の時に函館に戻り、現在の社会医療法人「文珠会」に入る。居宅介護支援事業所のケアマネージャーを経て、2016年に開設された地域包括支援センター亀田の所長に就いた。
12人の職員をまとめる立場。常に働きやすい職場づくりを心掛けている。「相談窓口の職員はいろんな思いを抱え込んでしまうことが多い。頑張り過ぎてしまわないように気を配っている」と話す。
22年に自立相談支援機関の機能が併設され、相談を受け付ける対象が高齢者から全世代に広がった。寄せられる相談も高齢者の介護や経済困窮、引きこもりなどさまざま。「一つの世帯で複数の課題を抱えていることもある。相談しやすい環境をつくっていく」と目を輝かせた。(松宮一郎)