新年明けましておめでとうございます。よき新春を迎えられたことと謹んでお慶び申し上げます。
昨年を振り返りますと、新型コロナウイルス感染症の5類移行という大きな節目を迎え、桧山地域においても姥神大神宮渡御祭をはじめ各町が誇るお祭りなどが通常開催されたほか、観光の人の往来など、社会経済活動が活発化した一方で、記録的な高温による農作物の品質低下やサケの不漁があった1年であり、加えて、奥尻島を中心に甚大な被害をもたらした北海道南西沖地震から30年という年でもありました。
また、人口減少・少子高齢化はもとより、医療・福祉や建設等各分野での人手不足の深刻化、通過型とされる観光分野の地域経済への波及といった諸課題への対応は、これまで以上に重要性を増しています。
こうした中、昨年は桧山地域の魅力を生かした新たな取り組みや持続的発展に向けた「芽」が育った1年でもありました。
保育園留学をはじめとする、域外の方々に短中期滞在していただく取り組みが注目を集めました。来訪者が地域で楽しい時間を過ごすだけではなく、都会に戻ってからも地域とのつながりを持っていただき、地域への応援団が全国に拡がることが期待されます。
地域交通の確保に向けた取り組みも着実に進んでおり、デマンドバスの運行に向けた実証が複数の町で進められています。奥尻島の重要な交通手段であるフェリーを活用し、宿泊施設不足の解消策の実証調査が国により行われたほか、沿岸各町ではサケ、マスなどの増養殖の取り組みがこれまで以上に活発になされるなど、観光や一次産業の活性化に向けた動きもみられます。
さらに昨年12月には、桧山沖の洋上風力発電事業の実現に向けた法定協議会が開催されました。今後、地域や漁業の振興策を含むさまざまな議論が積み重ねられます。脱炭素社会の形成はもとより、20年、30年後の桧山地域のあり方に大きなインパクトを与えるこの取り組みについて、次世代を担う中高生を含む多くの皆さまがしっかりと理解し、向き合っていくことが重要です。
新しい年は、こうした動きも踏まえ、産業や医療・福祉など各分野の人材の活用推進に向けた「未来を支える人材の育成・確保」、歴史・文化資源を生かした観光振興や農林漁業の魅力発信、ワーケーションの推進などによる「地域の魅力を生かした関係・交流人口の拡大」、洋上風力発電施設の立地に向けた、若者などへの普及啓発や取り組みを地域発展に生かす「ゼロカーボンを生かした桧山の活性化」の3つを重点としながら、桧山の魅力をさらに高め、持続的発展に資する取り組みを進めます。また、南西沖地震という大災害を今一度肝に銘じ、地球温暖化に伴い激甚化が著しい災害に強い地域づくりにも取り組みます。皆さまのご理解とご協力を賜りますようお願いいたします。
結びに、新たな年が皆さまの希望と夢に満ちた幸多き年となりますよう、心からご祈念申し上げ、新年のごあいさつとさせていただきます。