道教育大函館校の敷地内に咲くサクラなどの観察会が6日、函館市八幡町の同校で開かれた。「日本さくらの会」桜守の浅利政俊さん(94)と有志が主催し、約50人が参加した。
七飯町在住で元小学校教諭の浅利さんがキャンパス内を歩きながら、ハナミズキや敷地内に咲く数種類のサクラについて解説した。
浅利さんは、平安時代の歌人、在原業平(ありわらのなりひら)の古今和歌集のサクラの歌を紹介し、「業平の歌は今も引き継がれているのか。サクラと同時に、文化にも目を注いでいただきたい。古典に学びながらサクラを別の見方でみるのも一つ」と話した。
キャンパス内では、アマヤドリ、イトククリと呼ばれるサクラが花を咲かせており、参加者は浅利さんの解説に耳を傾けながら、鑑賞した。
市内から参加した泉花奈さん(50)は「サクラが好きで、北斗や松前のサクラを見てきましたが、どこでも桜守の浅利さんの名前が出た。話を聞くことができて良かった」と話していた。
今年で戦後80年を迎えることから、浅利さんは、同校から学徒出陣した学生のことを説明、サクラのもとで平和の尊さを訴えた。(加納洋人)