函館中部高校放送局が、アナウンスや朗読、創作番組の発表を競う大会「第71回NHK杯全国高校放送コンテスト」(全国放送教育研究会連盟、NHK主催)の2部門で優良賞に選ばれた。創作テレビドラマ部門は全国102作品の中から、ラジオドキュメント部門は全国204作品の中からそれぞれ選出。道南地区大会、全道大会を勝ち進み、全国大会でも優秀な成績を収め、局員は喜びをかみしめている。
コンテストは7月22~25日に実施。創作テレビドラマ部門は、2年の蛯子陽香さん(16)がシナリオを執筆。同校を舞台に写真部の新たな部長を決める際、部員の悩みや葛藤、友情を表現した8分間の映像作品「あやのSDカード」を制作した。コンテストのテーマ「私たち高校生と放送」に沿い、局員自身がセリフや演技に挑戦したほか、カメラワーク、場面に合わせた音楽など、細部の至るところまでこだわり、撮り直しを重ね作り上げた。
ラジオドキュメント部門は、2年の松永琳さん(17)が担当。LGBT(性的少数者)を題材に、市内で生活するトランスジェンダーの男性教員へ実際にインタビューをして、性の多様性を伝える7分間の内容「かわいくなりたい」を編集。音声のみで社会問題を提起した。
蛯子さんは「局員が4人しかいない中、みんなで協力して完成させた全員の作品が賞をとれてうれしい。来年は決勝まで進めるように頑張りたい」と意気込み、松永さんは「番組を通して伝えたいことを全国の多くの人に聴いてもらうことができ、達成感があった」と振り返った。(竹田 亘)