函館市企業局交通部は、2016年度の函館市電の利用客数をまとめた。昨年3月に開業した北海道新幹線による効果などで、前年度比53万202人(10・0%)増の580万7709人と、2010年度以来6年ぶりに580万人を上回った。
市観光部がまとめた昨年度の市内観光入り込み客数(推計値)は、前年度比13・3%増の560万7000人と、統計を開始した1955年以降で過去最多を記録。交通部は市電乗客数の伸びは観光利用がけん引したとみており、「新幹線開業効果に加え、函館アリーナ(15年8月開業)で行われる各種コンベンションによる効果も大きい」と分析する。
本年度の見通しについては、北海道新幹線効果の落ち着きや地域の人口減による市民利用の減少で、前年度比3%減の563万2500人と予想しているが、今年4、5月の実績は前年度並みに推移しているという。
同部では、ICカード乗車券「ICAS nimoca(イカすニモカ)」の導入による利便性の向上や、市環境部などと連携した環境に対する市民意識の向上を図り、市電利用の促進に努める考えだ。(金子真人)