市立函館保健所は5日、函館市内で70代女性、年代非公表の女性、10歳未満の女児、40代男性の4人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。4人は4日までに感染が分かった10例目の70代男性の親族で、40代男性以外は濃厚接触者だった。市内での感染確認は14人となった。
同保健所によると、70代女性は3日夜に37度台の発熱があり、翌日に陽性を確認。年代非公表の女性は濃厚接触者として4日に検査し、陽性が分かった。女児は3日に38度台の発熱があったことから4日に検査して陽性が発覚。40代男性は女児の濃厚接触者として5日に検査し、陽性が確認された。いずれも管内の指定医療機関に入院中だが、無症状か症状は軽いという。濃厚接触者は現在調査中。
10例目の男性は10月下旬に札幌の親族と接触があったといい、70代女性、年代非公表の女性も同じ親族と会っていた。
年代非公表の女性は、4日にドラッグストア大手のサッポロドラッグストアー(本社・札幌)が公表したサツドラ函館白鳥店(田家町)の従業員。勤務時はマスクの着用など感染対策を徹底しており、濃厚接触者は確認されていない。また、40代の男性は函館市職員で都市建設部まちづくり景観課に勤務。市民との接触はなく、発症したとみられる3日以降に接触した職員はおらず、市役所内での濃厚接触者はいないと判断された。女児は学校など集団には属していないという。
説明に当たった山田隆良所長は「市内の14例のほとんどが家族、親族の接触なので、飲食店利用やクラスター(感染者集団)のようなものは発生していない。宿泊施設や店舗が適切に対応しているので、発生しにくいのではないか」と分析。その上で、感染多発地域からの来客には行動歴に細心の注意を払い、マスク着用、手指消毒、ソーシャルディスタンスを守るなど、基本となる予防策の徹底を改めて促した。(小杉貴洋、長内宏人)