【松前】松前観光協会（石川文明会長）は２日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け緊急役員会を開き、２５日から５月１２日まで開催予定だった「第７３回松前さくらまつり」の中止を決めた。まつりの中止は松前城天守閣の焼失を受けた１９５０年以来７０年ぶり２回目で、「さくらのまち松前」にとって物心両面で大きな打撃となることは必至だ。
観光協会と商工会など関係者は３月の対策会議で経済的影響などを考慮し、感染対策をとった上でまつり開催をいったん決議していた。しかし、同２４日に東京五輪・パラリンピックの延期が決まり、東京都を中心に感染者が急増したことが報じられると、森町や青森県弘前市などでサクラ関連イベントの中止決定が相次いだ。これを受け、開催リスクが無視できなくなったことから観光協会３役は開催を取りやめる意向を固め、役員会で中止を正式決定した。
期間内イベントはさくらスタンプラリーを除き全て中止。石川会長は「状況が日に日に悪化し、ここで感染症を出さないために中止を決断した」と苦渋の表情を見せる。一方で「来てもらったお客さまにサクラを安心して見てもらうための対策をとりたい」とし、松前公園は閉鎖せず１８日から５月１０日まで車両通行止めとし、夜間は午後９時までライトアップを行う予定。（神部 造）
LINE
函館新聞Twitter
函館新聞Facebook
函館新聞Youtubeチャンネル
ハコラクInstagram