函館白百合学園中学校3年の中村仁美さん(15)が、函館のご当地検定「函館イカマイスター認定試験」に史上最年少で合格した。2018年に不合格だった悔しさをばねに、猛勉強して難関を突破。中村さんは「すごいうれしかった」と笑顔を見せる。(山崎大和)
函館水産物マイスター養成協議会の主催。13回目となる昨年、11月2~4日に市国際水産・海洋総合研究センター、函館短大付設調理製菓専門学校で養成講習会があり、同17日に同センターで認定試験が行われた。100点満点中、70点以上で合格する。
中村さんは一昨年、父の信雄さん(56)=函館白百合学園中学高校の理科教諭=と兄の一雄さん(17)=函館中部高2年=と一緒に受検し、2人は合格したものの、家族の中で仁美さんだけが不合格に。「あまり勉強していなかった。自分だけ受からず悔しい思いをしたので、今度こそは頑張ろうと思った」と再度の受検を決めた。
講習会(座学は任意の3科目、イカの解剖と調理は必修)は、座学9科目と解剖、調理と全てを受けた。座学では「イカ釣り漁業の漁具・漁法」「イカの加工」の科目で数字を覚えるのに苦労したといい、試験本番の1週間前から学校の図書室でテキストを読み込み、3日前からは過去問題をひたすら解いて特訓。試験本番を終え「何とか合格できそう」とかすかな自信があった。
昨年12月上旬に、合格発表で自分の番号を見つけ「お父さんとお兄ちゃんと同じ資格が取得でき、本当にうれしかった」と振り返る。
スルメイカ不漁の長期化について「おばあちゃん(故人)が作ってくれたイカの塩辛が大好きで、イカ料理を食べるのが好き。イカを食べられる機会が減り、すごい悲しい」と話す。
2018年の兄の最年少記録を塗り替えたが、まだ満足していない。「将来は海外で水産関係の仕事に就きたい。イカの知識を広めていくため、もっと学びを深めたい」と意欲を見せる。
事務局の函館国際水産・海洋都市推進機構によると、今年は24人が受検し、中村さんを含む23人が合格した。