函館市上湯川町の高穂神社(澤口廣宮司)の例大祭が20日に開かれ、岩手県北上市の伝統芸能を伝承する「滑田(なめしだ)系函館鬼剣舞」(大島清貴会長)が鬼剣舞を奉納した。五穀豊穣や悪霊退散などを願う勇壮な舞で、観客らを魅了した。
昨年2月に開かれた同団体の20周年公演を見て感銘を受けた澤口宮司(67)が例大祭での奉納を依頼し、同団体が快諾。昨年に続いての奉納となった。
奉納メンバーは小学生から社会人の約25人。4演目を披露し、仏の化身であるお面をつけて、剣や扇を手に躍動感あふれる踊りで盛り上げた。合間には周辺を練り歩いていたみこしが境内に到着、担ぎ手や氏子らに見守られながら舞い踊り、大きな拍手を受けていた。
市内人見町から訪れた岡田正光さん(69)は「初めて見て感動した。若い人たちが伝統を守り、小さい子も難しい舞を練習しているのが伝わってきた」と笑顔。澤口宮司は「祖先が岩手県出身で、私も幼い頃に見たことがあったので依頼したが、最高の天気になって良かった。来年と再来年には大きなお祭りを行うので、ぜひお願いしたい」と話していた。(千葉卓陽)