7月下旬から8月中旬にかけて続いた天候不良や低温の影響で、渡島、桧山管内の主要海水浴場の来場者数が大幅減となった。来場者数が最も多かった乙部町の元和台海浜公園「海のプール」は前年比33・0%、約1万人減の2万527人で、北斗市の七重浜海水浴場でも同48・2%減の7704人と落ち込んだ。
乙部町によると、道南で最大の来場者数を誇る「海のプール」は例年、お盆前の約1週間が来場者のピークとなるが、今年はその期間に台風5号が接近。「7月と8月中旬以降は前年より伸びたが、8月9日からの約1週間だけで前年から約1万人の来場者減となった」という。また、桧山地方は晴れていても、来場者の中心である函館や北斗で雨が降った日が多く、外出を控える傾向があったとみられる。
前年比64・5%減と減少幅が両管内で最大となった函館市入舟町前浜海水浴場は、記録の残る1995年以降で4番目に少ない2279人。湯川海水浴場が昨年から廃止された影響で、昨年は6415人と一時的に増えたが、今年は寒さで入り込みが大きく落ち込んだ。市教委スポーツ振興課は「特に8月の気温が低かった。水温が20度ほどと冷たく、来ても泳がない人も多かった」とする。
また、湯川海水浴場が廃止となったことで、昨年、渡島で最大の来場者数となった七重浜海水浴場も、海開き当日となった7月22日未明に大雨となるなど出はなをくじかれ、「海開きの前の週が連日、気温30度を超え、開設期間終了後に好天の日が続くなど天候に恵まれなかった」(市観光課)と嘆く。
このほか、福島横綱ビーチ海水浴場は前年比36・6%減の6818人、せたな町の三本杉海水浴場は33・0%減の3233人、ふとろ海水浴場が同48・2%減の1915人、平浜海水浴場が同30・0%1562人と軒並み3~5割の減少。江差町のかもめ島海水浴場は同12・3%と減少したが、昨年、開陽丸側に加えて瓶子岩側にも海水浴場を設けたことが定着したこともあり、急激な落ち込みとはならなかった。
海水浴場の来場者減を受けて、各管理者は「(海水浴場で行った)ウニとツブのつかみ取りのイベントも前年から来場者が減ってしまっているので、周知方法をさらに工夫したい」(江差町)などと、来年に向けて好天を祈るとともに、天候に左右されない施策を練っている。(大谷健人)