クリスマス・イブの24日、函館市内の教会や修道院では、聖歌の合唱や祈りが行われ、参加した大勢の市民らがキリスト降誕を厳かに祝った。
美しい歌声 聖堂に響く ハリストス正教会
函館ハリストス正教会(ニコライ・ドミートリエフ司祭)では午後6時から、市民を対象とした「市民クリスマス」を開いた。信徒や一般市民約100人が参加し、聖歌隊の合唱や祈とうに聞き入った。
同正教会が毎年、主ハリストスの降誕祭(クリスマス)前夜に行っている。白と緑のロシア風ビザンチン様式の復活聖堂では、ろうそくの炎が荘厳な雰囲気を醸し出す中、14人の聖歌隊が日本語と原語の雰囲気が残る美しい聖歌を披露し、ニコライ司祭による祈り、聖書の解説が約1時間にわたって続けられた。
ニコライ司祭は「降誕祭は明るく、楽しく、家族でお祝いする。今日はまさに、大勢の市民が家族のように集まり、良い時間となった。皆さんの人生の上に神の温情がありますように」と話していた。(山崎純一)
神聖な祭礼 50人が体験 トラピスチヌ修道院
函館市上湯川町のトラピスチヌ修道院では、恒例の「クリスマス・ご降誕のミサ」が開かれた。事前に応募した市民約50人が祭式に臨席し、祈りをささげた。
この日行われた「夜のミサ」は午後8時ごろに始まった。年3回のみ入場できる聖堂に招かれた参加者は、司祭による聖書の朗読に耳を傾けるとともに、約40人の修道女と一緒に讃美歌を歌い、神聖な祭礼を体験した。
ミサに初めて参加した市内の会社員、柳沢恵美子さん(43)は「ぴりっとした空気の中で、キリストの誕生を祝うことができてうれしい」と話していた。
「朝のミサ」は25日に行われ、約30人が参加する予定。(山田大輔)