NPO法人市民創作「函館野外劇」の会(中村由紀夫理事長)は27日、野外劇の魅力を伝えるプレイベントを五稜郭タワーアトリウムで開いた。15人の出演者がフラッグダンスや箱館戦争のシーンを紹介し、来年の公演に向けた出演者の掘り起こしを図った。
この時期に新たな試みを行うことで市民の関心を高め、観光客にも函館の歴史絵巻を楽しんでもらおうと初めて企画。午後1時半、同3時の2回行った。
ステージは、ペリー来航によって開港した箱館の華やかさを演出するフラッグダンスで幕を開け、土方歳三らが新政府軍と戦う箱館戦争の殺陣シーン、明治以降のまちの復興を表現するよさこいソーラン踊りを披露。活動弁士やレーザープロジェクターによる演出も加えた。最後は出演者全員で来年の公演への参加を呼び掛け、来場客から拍手が送られた。
殺陣シーンに出演した孫の姿を見に訪れた今浦淳子さん(73)は「五稜郭の堀が崩れてからは見に行っていなかったが、またもう1回見てみたいと思った」と話していた。
来年の第30回公演は7月14日に開幕し、8月12日まで金、土曜の夜に8回公演(8月4、5日は休み)。今夏の公演では多い日で約250人が出演したが出演者確保は年々厳しさを増しており、同会の里見泰彦事務局長は「来年は公演が増えるので、8回で少なくとも延べ3000人は確保したい」と話していた。(千葉卓陽)