道南いさりび鉄道(函館、小上一郎社長)は、8月末の台風10号の強風で破損した「釜谷(かまや)駅」(木古内町)の駅名標のオークションを初めて開催する。2枚を出品、インターネットのほか、イベント会場で入札に参加できる。販売代金は新しい駅名標の設置や災害復旧の費用に充てる計画で、台風被害という珍しい現象だけあって、鉄道ファンの注目を集めそうだ。
同社によると、同駅では開業時に整備した駅名標(横1200ミリ、縦900ミリ、厚さ4ミリ、プラスチックボード)2枚が強風により破損。復旧費の足しにしようと、オークション形式で販売することにした。18歳以上が参加条件で、最も高い金額を提示した人に引き渡す。入札開始額は3000円で、単位は1000円。
ネット販売分は、駅名標の左側が三角形に欠けている。メールと郵送で24日午後11時まで(郵送は同日到着分まで)受け付ける。メールは(isaribiーihfo@shrーisaribi.jp)、郵送は〒040・0063 函館市若松町12の5 道南いさりび鉄道インターネットオークション係まで。25日午後1時に落札者を公表する。
もう1枚は8、9の両日、東京・日比谷公園で開かれる第23回「鉄道フェスティバル」(「鉄道の日」実行委主催)での同社ブースで受け付ける。8日午前10時~9日午後1時、受付箱に入札用紙を投函してもらう。会場で同4時に落札者を発表する。こちらは破損の程度は比較的軽く、右上の一部が欠けている。
落札者は本人確認を行った上で、入金(ブース開催分は現金精算)を確かめて所有権を移転する。
同社は「老朽化やデザイン変更により駅名標を取り換えるケースはあるが、台風破損は珍しい。ぜひ多くの人に値を付けてほしい」と呼び掛けている。(山崎大和)