市民創作「函館野外劇」(実行委主催)は7日、五稜郭タワーアトリウムで昼のミニ公演を行い、第29回の全日程を終えた。今年は昼公演と2年ぶりの夜の本公演計10回で3600人を動員。大勢の人が函館の歩みを凝縮した史劇を見守り、拍手を送った。
昼公演は無料で、本公演の要点をまとめた。高田屋嘉兵衛や武田斐三郎など函館の発展に尽力した人物を紹介したほか、黒船来航の場面ではフラッグダンス、箱館戦争では土方歳三が殺陣や銃弾に倒れる迫真の演技を披露。35分で函館の歴史をテンポよく表現した。
公演前のプレステージには歌手の暁月めぐみさんが登場し、野外劇のテーマ曲「星のまちHAKODATE」など4曲を熱唱した。
横浜市から来た佐藤奈海さん(25)は「今立っている五稜郭ができるまでの過程を知れてよかった」、友人の藤川結菜さん(同)も「殺陣がかっこよかった。来年は夜公演を見たい」と話していた。
NPO法人市民創作「函館野外劇」の会では当初、2000人の動員を予想していたが、倍近い結果となった。里見泰彦事務局長は「当日券(1200円)の売れ行きが例年より好調だった」としている。(稲船優香)