来年3月26日開業の北海道新幹線の特急料金について、国土交通省運輸審議会は26日、函館市西桔梗町の函館総合卸センター流通ホールで公聴会を開いた「割高だ」とする3人の一般公述人の反対意見に対し、JR北海道の島田修社長は青函トンネルの維持管理や除雪など、北海道新幹線特有の設備や事情によるコストなど料金設定の根拠を説明した
JR北海道は先月、新函館北斗―新青森間(約149キロ)を3930円などとする特急料金を国に申請審議会は料金設定が妥当かどうか広く意見を募るため公聴会を開いた
道教育大札幌校准教授の武田泉さん(53)は「同程度の距離で比較すると全国の新幹線で最も高い」、湘北短大(神奈川)准教授の大塚良治さん(41)は「他路線に比べて運賃が高額な場合、地域や地域間交流の活性化が阻害される懸念がある」、市民団体「海峡同盟」(東京)代表の中尾一樹さん(49)は「青函トンネルの負担があるなら加算運賃で対応すべき」と、いずれも認可に反対の姿勢を示した
島田社長は、青函トンネル使用・維持、貨物列車との共用走行や短区間営業に伴う費用など、他の整備新幹線にはない北海道新幹線固有のコストが年間34億円に上るとし、「鉄道法の考えに沿った適正な原価に適正な利潤を加えた料金水準であることを理解していただきたい」と述べた
東京から傍聴に訪れた30代の会社員男性は「JRの言い分は理解できるが、やはり料金は高過ぎると感じたもっと利用しやすい料金にしてほしい」と話し、不満を示していた
今後、審議会が公聴会などの意見を参考に国土交通相に答申し、認可、不認可が決定される(金子真人、山田大輔)