降雪シーズンを前に、函館市企業局交通部は26日、除雪用車両「ササラ電車」の試運転を実施した職員による点検後、駒場車庫を出発改築工事を終えたばかりの五稜郭公園前電停までを往復した冬場の安全運行を支える特殊車両は今年も健在だ
ササラ電車は、全国でも函館と札幌にのみ在籍し、既に札幌では今季の初出動を終えている函館の車両は、1934(昭和9)年に東京から購入した客車を37(昭和12)年に除雪用車両に改良当時から構造や仕組みに大きな変更はなく、細かくひご状に割いた竹200本をブラシのように束ねたものを車両前後に計864束取り付け、高速回転させることで軌道上の雪をはねのける
軌道の除雪は、ササラ電車と同様の器具を取り付けた委託業者のトラック「軌陸車」が主流だが「急な大雪の日など、緊急時にはササラ電車が必要」とする昨シーズン(14年12月~15年3月)は計6日間、延べ8両が出動積雪も少なく、2008年度以降は最も少なかった
ササラ電車は進行方向の車道側に雪をはね飛ばすため、同部は作業時の走行に注意するよう呼び掛けている(今井正一)