野村不動産(函館市柏木町、野村辰男社長)が大門地区に、外国人観光客を主な対象とした大型商業施設の建設計画を進めていることが16日、分かった最大12億円の事業費を投じ、ビルは6階建てを想定ホテルや飲食・物販施設などの入居を予定しているほか、案内所を設置して海外客の回遊拠点とする狙いだ外国人旅行客が多く訪れる京都などで行った現地調査を基に概要を正式に決定する方針で、2018年4月の開業を目指す
建設予定地は、高砂通りをはさんで大門横丁の斜め向かいの若松町18に位置する約1700平方メートルの同社所有地現在は月極め駐車場として使用している
1・2階は免税対応の物販店や地元食材を使った料理を提供する店舗の入居を想定小川佳也経営企画室長は「外国人客が好む食べ歩きができるような仕掛けにしたい」とするまた、フロアにコンシェルジュ(案内人)を配置し、観光拠点を目指すという
3階以上はホテルなどを計画小川室長は「外国人旅行客のニーズを調査し、ゲストハウスや本格的なホテルなどあらゆる選択肢から検討したい」とし、ほかにオフィスなどの入居も視野に入れる
このほか、施設内には函館の歴史や文化を紹介するコーナーも開設する予定だ野村社長は「旅行地の歴史や生活を知りたいという外国人のニーズは高い」と話し、市内小中学生の学習の場としての活用も検討しているという「子どもたちが郷土に対する愛着を深め、さらに外国人と交流ができるという施設になれば」と展望を語る
同社は外国人のニーズなどを把握するため、経済産業省の補助事業を活用して東京や京都などで現地調査を行っており、今後まちづくり会社を設立して17年春をめどに建設に着手する考えだ野村社長は「交流人口の増大は市の活性化につながる既存施設や地元商店街とも連携し、地域全体で相乗効果を図りたい」としている(山田大輔)