函館市が商店街の催しや集客イベントに助成する「元気いっぱい商店街等支援交付金」の利用が順調に推移している本年度は13日現在で15団体が延べ34事業、3350万円を申請市内商店街からは、交付金によってこれまで手が出なかった事業に取り組めるなどの声が上がっており、集客力の向上やにぎわい創出に寄与している
交付金制度は、商店街の魅力の再認識や活性化を意識づけてもらう意味合いを込め、2011年度に開始した
歳末大売り出しなどの販売促進や季節ごとの祭り、遊休施設の活用などに対して事業費の全額を交付対象は商店街振興組合や小売市場、商工会などで、商店街地域で複数の団体が活動する場合、1つの指定団体とみなす1団体当たりの参加店数に応じ、年間30~300万円を配分する
11年度は16団体が2819万円を利用し、執行率は70%にとどまったものの、年々定着化し、14年度は17団体が3461万円を活用執行率92・8%と、過去最高を記録した本年度は19団体を対象に当初予算で3730万円を計上現在申請額ベースで90%近い利用があり、市商業振興課によると、今後は残る4団体からも申請が寄せられる予定という
交付金は既存事業の充実のほか、団体ごとに情報誌の発行や住民同士が交流できる講座を開催するなど、地域の特性に合った個性的な事業も展開されている
このうち、湯川商店街振興組合と湯川温泉商工親和会は本年度、飲食店や温泉などの場所を記した「湯の川ガイドマップ」を発行日本語1万部、英語・中国語訳版を各5000部制作し、加盟店舗や宿泊施設などに置いた10月に函館アリーナで開かれた全国自治体病院学会では参加者約3000人に配布し、同会の加藤隆司会長は「夜は飲食店がにぎわった」と振り返る
このほか、役員の高齢化や後継者不足などによるマンパワー不足を補おうと、加盟店のPR冊子なども発行している加藤会長は「(交付金は)商店街の活性化の一助となっている温泉街という地域性を生かし、工夫しながら事業を続けていきたい」と話している(蝦名達也)