函館出身の絵本作家・飯野まきさん(39)=埼玉県在住=が、子供たちが七夕に歌を歌い、お菓子などをもらいに近所を回る函館の伝承行事を題材にした絵本「ロウソクいっぽんちょうだいな」(福音館書店)を出版した
絵本は、飯野さん自身の幼少時の体験を基に作成主人公の女の子が「ロウソクもらい」を楽しむ様子や、行事を見守る大人たちの姿を描いたカンテラを持って家々を回っていた昔の様子などを、絵と文で伝えた心温まる一冊となっている
飯野さんは函館西高校を卒業後、多摩美術大学に進学現在は埼玉で子ども向けの絵画教室を開きながら、絵本作家として活動している
函館の七夕行事を題材にした絵本の構想は9年ほど前から温めていた「形を変えながらも昔から続く七夕行事を伝えたかった」と飯野さん七夕の時期に帰省するなどして市内各地で取材し、「行事を楽しむ大人や子どもたちの姿は今も昔も変わっていないと感じ、うれしかった」と振り返る
飯野さんは「自分のいろいろな思いが一冊の絵本という形にすることができ、子どもが産まれたような気持ち昔から伝わる函館の素敵な行事をたくさんの人に知ってもらいたい」と話している
月間絵本「子どものとも」7月号として刊行され、B5判32ページ389円(税別)(平尾美陽子)