【七飯】TKドッグスクール(町東大沼、加藤大希代表)は8日、災害時に愛犬と同行避難するための訓練を行った。家庭犬災害時飼育管理士の資格取得講習会を兼ねた全国で初めての取り組み。21人が飼い犬とともに参加し、もしものときに備えたしつけ、避難生活でのマナーなど、災害時に愛犬を守るための知識を習得した。(早坂直美)
日本社会福祉愛犬協会(本部・東京)との共催。同会は7月、「家庭犬災害時飼育管理士」を創設しており、初の講習会。同会訓練本部長の加藤代表、同会訓練士の加藤知宏副代表が講師を務め、同スクール生徒21人が飼い犬と参加。道南地域に直下型地震が発生し、地域の避難所に愛犬と避難したという想定で、ケージに入れた飼い犬を会場内に収容し、飼い主は講義を受けた。
環境省は2013年に「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」を策定しているが、避難所への同行避難では犬の鳴き声などからトラブルが起きることも少なくない。講義では、東日本大震災や熊本地震での実例を示し、「普段からケージに入れることに慣れさせておく」など飼い主が日頃からできること、避難生活でのマナーなどを伝えた。
同行した飼い犬に対しては、同スクール作成の「災害時家庭犬用トリアージ」を用いて、かむ、ほえる、ワクチン接種などの状況に応じて「受入不可」から「良」まで4つに区分。「もしものときを想定して普段から生活することがとても大切」とし、犬用防災グッズも紹介した。
函館市から参加した朝野久美子さん(45)は「うちの犬も離れて鳴くときがあるので同行避難のことを考えて不安になった。学んだことをスクールの仲間以外にも伝えていきたい」と話していた。
同スクールでは今後、一般の飼い主向けに偶数月の第2日曜日、「愛犬と防災~いざというとき、愛犬を守るために」をテーマとした講習会を事前予約制で定期開催する。受講料は1人5000円。また、ドッグカフェや動物病院などへの出張講習も受け付ける。自治体などから依頼があれば、犬と人の合同避難訓練のサポートにも応じる。
加藤副代表は「講習会を通して知識を持った人を増やし、道南や全国にネットワークを作っていきたい」と話している。問い合わせは、同スクール0138・83・8534。