函館朝市などでつくるおでかけリハビリ推進協議会(松田悌一代表理事)は、函館市内の商業施設で展開してきた健康づくり事業「おでリハ健康プログラム」を「おでかけウェルネス」に改称し、ライブ配信を活用した新たな取り組みを始める。地方都市では健康づくり支援の担い手不足が課題となる中、健康寿命延伸に向けたモデルケースの一つとして全国展開も視野に入れる。
同協議会は健康測定や体操で健康維持を目指すプログラムを函館朝市ひろば、函館コミュニティプラザ(Gスクエア、シエスタハコダテ内)の2カ所で定期開催。参加をきっかけに商業施設に足を運び、食事や買い物で利用することで地域経済の活性化につなげる狙いがある。
ライブ配信を活用した「サテライトおでかけウェルネス」はスポーツ庁の「Sport in Life推進プロジェクト」(スポーツ人口拡大に向けた取組モデル創出事業)の採択を受け、これまで協議会の事業で連携してきたタニタヘルスリンク(東京)や商工中金函館支店などと共に企画した。
今月19日にライブ配信を活用してトライアル実施し、Gスクエアと朝市ひろばの2会場をウェブ会議アプリ「ズーム」でつなぎ、合わせて約60人が参加。協議会副理事で平山医院の理学療法士、竹内光さんが朝市ひろばからオンラインを通じて、肩こりや腰痛予防のストレッチを指導。スクリーンに映る竹内さんの動きを真似て参加者が汗を流した。
Gスクエアでの定期開催に参加している同市昭和1の80代女性は「普段は目の前で指導を受けているが、スクリーン越しでも違和感なく取り組めた」と話した。
今後は年明けにも道外の百貨店とオンラインでつなぎ開催する予定で、全国展開に向けた足掛かりとする考え。松田代表理事は「オンラインを活用することで講師は一人で済むメリットがある。トライアルはイメージ通りで講師が同じ会場にいる雰囲気で開催できた」と手ごたえを示した。(飯尾遼太)