バスを走らせ届け続ける
夫婦二人三脚で築いた一杯
住宅街にチャルメラの音を響かせる「函館元祖バスラーメン」。車内で作り上げる「塩ラーメン」は、あっさりとしながらコク深く濃厚なうま味に驚かされる。バスが走り出したのは43年前。海上自衛隊のコックだった丸山憲雄さんが移動販売に着目し、改造したバスを店舗に、街中やイベント会場を巡回。妻の寿子さんと二人三脚で自慢の一杯を振る舞ってきた。
ここ20年位は湯川町の温泉街に常駐していたが、コロナ禍で客足が激減。昨年3月からテイクアウトのみの販売に切り替え巡回営業を再開すると、差し入れを携え数十年ぶりに訪れる人や「お母さんも小さい頃に食べたんだよ」と自分の子供を連れて来る人など、多くの客に助けられたという。客一人ひとりを家族のように思いバスを走らせてきた丸山夫妻。昨年末に5台目となるバスをテイクアウト専用のキッチンカーに乗り換え、日の出製麺と共同開発した乾麺商品の販売にも注力。時代の荒波に負けること無く「100歳まで頑張ります」とほほ笑んだ。
(ハコラク 2021年2月号掲載)
函館元祖バスラーメン
☎090‐2873‐7173
18:00~20:30頃
(曜日ごとに巡回エリアが違うため、詳細は要問い合わせ)
不定休