臥牛山12月9日・名刺
ある人からもらった名刺に思わず微笑んだ。目を引いたのがまず似顔絵。家族構成、趣味、そして海外渡航歴が20回以上あることなども記されていた。一枚でずっと距離が縮まった気がした▼新幹線開業が近づき、東北の関係者の方々と名刺交換する場面が増えた。岩手県花巻観光協会の人の名刺には「2016 宮沢賢治 生誕120年」の文字と夜空を走る機関車のイラストが描かれていた▼「花巻をPRするせっかくの機会。協会で決めたわけではなく、勝手に作ってしまった」との言。「若い人には賢治と言ってもなかなか通じないが」と付け加えたが、「銀河鉄道の夜」が浮かび、新幹線が通ったら、まず賢治の記念館を訪れようと思った▼地元にいるせいか、東北の人の方が開業を「道南と東北が一つのエリアとして結び付くチャンス」と捉え、函館のブランド力を取り込み、観光やビジネスに生かそうとの思いが感じられる。面としての観光ルート作成など行動も速い▼花巻から来たもう1人の名刺。「わんこそば」のおわんが積み重なった写真の上に「一日ニ玄米四号ト味噌(みそ)ト少シノ野菜ヲタベ…それじゃワシは足りません」の文字。訴えるためにはユーモアも必要だ。(Z)