臥牛山2月20日・議長の権威
衆院議長は三権の長であり、絶大な権威を持つ。その議長による諮問機関の答申はおのずと重みを持つ。また、国会での発言、答弁は軽くない。それが忘れられたかと思っていたが、ここへきてようやく気がついたよう▼今月初めの本欄でも取り上げた衆院の制度改革問題に対する自民党の対応で。答申にある定数10の削減を4年後に先延ばしする方針を示していたが、それを軌道修正するというから。安倍首相が19日の予算委で前倒しする意向を示した▼答申があった後、首相が「尊重する」と発言する一方で、党は「4年後の国勢調査の結果を踏まえて」と。それが全面的な受け入れに消極的に映ると受け取られてもおかしくない。この姿勢には諮問機関の座長からも異議が唱えられた▼「(自民党案は)棚上げになりかねない…確実に実現を図るべき」。言うまでもなく答申内容は議長から託され、導き出した権威ある結論。世論が気になる。民主政権の最後、党首討論で安倍首相は野田元首相との間で早期削減を約束した経緯もある▼閣僚や所属議員による問題行動や発言が続いており、夏には参院選が控える。議長が求める22日にどう回答するのか、この問題からしばらく目が離せない。(A)