照明の主役の座は「いずれ」LED(発光ダイオード)がとって変わる…誰しもそれに疑いを持っていない。消費電力が少ない優位性があり、温室効果ガスの削減にもつながるからだが、その時代は「いずれ」でなくなってきている▼政府は先月末、2020年度をめどに、照明器具に関する省エネルギー性能の基準を強化する方針を決めた。蛍光灯や白熱灯の生産や輸入が実質的にできなくなるということだから…蛍光灯などが市場から消える日は遠くない▼時代は常に新しい、よりいい物を生み出し続ける。蛍光灯が家庭に普及してほぼ50年、当初はスイッチを入れてから点灯するまで時間がかかったため、反応が鈍いことを「蛍光灯みたい」とやゆしたことも▼それでも蛍光灯時代を享受し、そして今、LEDが普及しつつある。消費電力が少なくて済み、長い目でみれば家計にもプラス。特に居間など点灯時間の長い部屋には有効で、すべて切り替えるに越したことはない▼頭では分かっていても、おいそれとは。少し安くなったものの、まだまだ高価。政府の方針は理解しても、庶民の財布の紐はそう簡単に緩まない。業界も大変なら家庭も大変、少しずつ切り替えていくしかない。(A)