臥牛山2月8日・定数削減先送り
衆議院の選挙制度改革はまたまた看板倒れに終わりそうだ。衆院議長の諮問機関(衆院選挙制度に関する調査会)から答申された「定数10の削減」を、最大政党の自民党が先送りする動きだから▼そもそも定数の削減は、消費税の増税に伴い自民、公明、民主が「国会議員も身を切る覚悟が必要」と合意したこと。にもかかわらず3党協議は一向に進まず、議長が第三者機関に判断を仰ぐということに▼昨年末には最高裁が一票の格差で違憲状態の判断を下したこともあり、調査会の議論の行方が注目されていた。そして1月中旬に出された答申は「選挙区を7増13減し、比例代表を4減する」と。この受け入れに自民党は…▼「当面、定数削減は行わず、選挙区の区割り変更で一票の格差を2倍以内に抑える」考えという。当面とは次の国勢調査(2020年)の結果が出るまでとか。なぜ4年後か、削減に消極的という姿勢しか伝わってこない▼諮問した議長は元副総裁で、党として答申を尊重する姿勢を見せていたはず。これでは議長の権威をないがしろにし、調査会に対しても極めて失礼。あの3党合意は何だったのか、一時しのぎの方便でしかなかったのか…そう思われても仕方ない。(A)