臥牛山12月4日・基幹農業従事者減
農業に携わる人の高齢化が進んでいる。先日発表された2015農林業センサスが明らかにしている。農業就業人口の平均年齢は66・3歳。そのうち65歳以上が占める割合は3人に1人の63・5%という▼深刻なのは、農業で生計を立てている専業の基幹的農業従事者の実態。20年前は250万人いたのが、この5年間で13%も減って177万人。その平均年齢は67・1歳と、先々に不安は広がるばかり▼当然ながら耕作放棄地は増える。5年前に比べ約3万ヘクタール増の42万ヘクタール強。富山県の面積に匹敵する面積という。農業者が減るから、放棄地は増える…誰でも分かる答えだが、問題は改善の動きが見られないことだ▼現実に新規の就農者数では追い付いていかない。北海道をみても後継者(学卒・Uターン含む)、新規参入者を合わせても年間600人から700人ほど。経営の組織化が進んでいるとはいえ、農業現場の赤信号状態に変わりはない▼そのつけは食料自給率にも表われ、一向に上がらないどころか逆に下がって39%。国の農政に問題があったと指摘されても仕方がない。そして今、TPP(環太平洋連携協定)が重くのしかかっている。「大丈夫」には何の保証もない。(A)