昨年9月末からJR北海道グループの札幌交通機械=札幌市東区の工場で車体改修を行っていた函館市電8006号車が9日、市企業局交通部の駒場車庫に戻った。11日に試運転、15日以降に行われる法定検査を経て、今月中にも営業運転を再開する見通し。
8006号車は旧アルナ工機(現アルナ車両=大阪府摂津市)で製造され、1995年に同部が主力車両の1つとして導入。冬期間の融雪剤使用による車体床下の腐食部分を中心に補修し、車内の握り棒を4本増設したほか、行き先表示器をLED化した。改修費は6150万円。
この日は、真っ白に塗装された車体が大型トレーラーに乗せられ、同車庫に到着。車両を大型クレーン車でつり上げ、慎重に降ろして台車に接続後、架線電流を通すパンタグラフを車両上部に取り付けて入庫した。
同部では2015年度から年1~3両の車体改修を計画的に実施。今年度の対象車両2両を含め、これまでに2000形と3000形、8000形の計14両の修繕を終えた。同部によると、来年度は8101号の1両を改修する予定。
同部の廣瀬弘司次長は「見た目は新車と同じくピカピカに。混雑緩和と利便性向上に努め、多くの人に市電を利用してほしい」としている。(長内宏人)