航空会社のフジドリームエアラインズ(FDA、静岡市)は7、8月に函館と稚内、中標津を結ぶチャーター便を運航する。北海道新幹線で来函後、道北、道東へ足を伸ばす観光客の需要を見込み、旅行商品の貸し切り便として活用する計画だ。今夏に函館を発着するチャーター便の運航計画が明らかになったのは、北海道エアシステム(HAC)に続いて2社目で、全道への開業効果の波及を目指した空路の取り組みが本格化している。
FDAのチャーター便は、76人乗りと84人乗りの機材を使用。函館―稚内間を11往復、同―中標津間を5往復する。
同社によると、ツアー商品発売に向けて現在旅行会社と商談を進めており、4月上旬にも売り出す計画だという。担当者は「広い道内を短い時間で移動できるのが魅力。新幹線効果を広げる一助になれば」としている。
一方、HACは7月23~25日の3日間、函館―旭川間で1日1往復運航。FDA同様、陸路と空路を組み合わせた旅行商品の貸し切り機として需要の取り込みを狙う。
道北、道東方面のチャーター便の運航をめぐって、道は昨年9、10月に旅行関係者を招き、FDAの機材を使って函館から稚内、中標津へ移動するモニターツアーを実施。FDAによると、ツアー商品造成の可能性を探った参加者から好評を得ていたという。
市港湾空港部は「各社のチャーター便の運航を契機とし、函館空港を玄関口とした道内の航空ネットワークの充実が図られることを期待したい」としている。(山田大輔)