【七飯】地酒「郷宝」ブランドで知られる「箱館醸蔵」(町大中山1)は13日、町中野の圃場(ほじょう)で稲刈りの神事を行った。豊穣の秋に感謝しながら、こうべを垂れた酒造好適米「きたしずく」を丁寧に刈り取った。
蔵元の冨原節子代表ら10人が参加。三嶋神社の水嶋恵嗣宮司が祝詞(のりと)を奏上し、参加者が鎌で稲を刈り取った。玉ぐしをささげ、郷宝で乾杯し、出来秋を祝った。
契約田での稲刈りは今年で4年目。中野、豊田、鶴野の3地区に契約田があり、中野の圃場を所有する杉村久悦さん(71)は「収量は平年並み。北電七飯発電所の用水停止があったが、応急措置のおかげで大きな被害は免れた」と話した。
同社によると、今年は町内の農家3戸が酒米「彗星(すいせい)」「吟風(ぎんぷう)」「きたしずく」を計3・5ヘクタールに作付け、18トンの収穫を見込む。10月上旬から新米を使った仕込みを始め、11月下旬に新酒を発売する。
杜氏(とうじ)の東谷浩樹さん(55)は「高温障害がどの程度あるのか、仕込んでみないと分からないが、昨年よりおいしい酒を造り、皆さんに喜んでほしい」と意気込んでいた。(山崎大和)