北海道経済連合会は26日、東北の企業など約200社を対象に行った東北・北海道間のビジネス交流についてのアンケート結果をまとめた。3月の北海道新幹線開業を好機と捉え、7割以上の企業が事業拡大を検討している一方、ビジネスパートナーの確保などを問題点として挙げる企業も多く、両地域の経済交流に向けた課題が浮き彫りになった。
アンケートは昨年12月10日に北海道・東北両経済連合会が仙台市で行った「北海道新幹線開業シンポジウム」で実施。参加者の55%にあたる110社から回答を得た。
新幹線開業後の北海道への事業展開は、43%の企業が「取り組みを強化する」とし、ビジネス拡大を検討している企業の割合は「条件が合えば」などを合わせると約7割に上った。新幹線開業で新函館北斗―仙台間が最短2時間半で結ばれることから「ビジネスマッチングが拡大する」「営業・販売活動がしやすくなる」といった要因が挙げられている。
一方で、ビジネス交流を行う際の課題を複数回答で尋ねた項目では、51社が「距離が離れていることによる時間・コストなどの負担」と回答。「信頼できるパートナーの確保」が28社、「想定される市場規模の小ささ」が14社で続いた。
仙台商工会議所総務課は「ビジネスマッチングの機会は増えているが、北に目を向ける企業はまだ少ない」と分析。仙台経済同友会は「具体的なメリットが見えてこないと事業拡大の計画が進まないのでは」とする。
北海道経済連合会は「東北の企業の考え方を示すことが狙い。今回の結果が北海道と東北のビジネス交流促進のヒントになれば」としている。(山田大輔)