陸上の男子走り幅跳びで東京五輪出場が内定した函館市出身の城山正太郎選手(26、ゼンリン、函大付属有斗高卒)は5日、リモートで取材に応じ、「3番以内で内定をいただくということを目標にしていたので安心している」と日本選手権を振り返った。
僅差で内定「安心した」
城山選手は2019年8月に福井県で行われた「アスリートナイトゲームズin福井」で8メートル40の日本記録をマークすると同時に東京五輪の参加標準記録(8メートル22)を突破。3位以内で出場内定が決まる6月27日の日本選手権では本調子でなかったが、4回目に7メートル90を跳んで3位。4位に3センチ差、5位に5センチ差と僅差で内定をつかんだ。
道南陸上競技協会の出身者として男子110メートル障害の金井大旺選手(25、ミズノ)とともに初の五輪選手になり、「喜んでいただけたのはすごくうれしい」と笑顔。CRS(千代台陸上スクール)の後輩ら道南の陸上関係者の盛り上がりに「コロナ禍という状況でみんな気分が下がっている状況だが、五輪でしっかりと良い跳躍をして元気になれるように頑張りたい。応援をよろしくお願いします」と力を込めた。(小林省悟)
「助走を改善、決勝目指す」
一問一答は次の通り。
――日本選手権前がいまいちだったが、五輪へどう上げていきたいか。
昨季から助走がうまくいかいないのが一番大きな点。日本選手権はスピードが上がってきて最低限の結果を出せた。まだまだ改善点があるので、五輪までにはスピード面、助走の流れ、踏み切りを確認すればあとは何とかなると思う。
――日本記録後は不安な気持ちがあったと思うが、大一番で3位以内に入れた要因と五輪への思いは。
周りも心配していたが、五輪出場が懸かった試合だったのでさまざまな方面から「応援しているよ」とメッセージをいただいて、自分だけのためではないなと頑張れた。不安な気持ちがなくなって、あとは本番で跳ぶだけ。まず予選を突破して決勝で頑張りたい。
――五輪は初出場になるが、どういう舞台になるか。これからの調整で鍵になるところは。
4年に一度なので大事な試合。しっかりと雰囲気を楽しんで跳躍した。合宿を組んで調整していきたい。
――2019年の世界選手権で決勝にいった経験が生きるか。
予選で力を使い過ぎて決勝では何もできずに終わった。その反省を五輪で生かせれば。
――小、中学時代に汗を流したCRSで何を学び、何が今に生かされているか。応援している子どもたちへのメッセージを。
常に怒られて走っていたが、練習の大切さを学んだ。自分の跳躍で目標や夢を持ってもらえるように五輪で頑張るので、応援してくれればうれしい。
――城山選手にとって東京五輪の位置付けは。
五輪に出てみたいと思っていたので良かった。2016年は出たいなと思って陸上をやっていた。リオデジャネイロ五輪を逃したことで、より出たい気持ちが強くなった。