函館市教委は8月から、市立中学校の部活動のうち、軟式野球とサッカーで複数の学校が合同で部活動に取り組む「拠点校方式」を導入する。生徒がスポーツに継続して親しむ環境を整備するのが狙いで、拠点校は軟式野球が湯川中、サッカーが戸倉中で、各校の顧問教諭が指導する。実施期間は来年3月末までで、課題や改善点を洗い出し、来年度以降の対応を検討する。
部活動をめぐっては、少子化に伴う生徒の選択肢の減少や、教員の働き方改革など大きな課題に直面。市教委は、将来的に部活動を地域のスポーツクラブなどに委ねる「地域移行」に向けた検討を進めており、まずは学校主体の地域連携での拠点校のモデルケースに着手することが決まった。
市教委によると、拠点校方式は在籍校に希望する部活がないことや、希望する部活はあるが、人数が少なかったり、専門的に指導できる顧問がいなかったりする場合に拠点校となる学校が他校の生徒を受け入れる。合同チームとの違いは、学校に希望する部活がない生徒が参加できる点だ。
市教委は、活動場所となる拠点校のほか、学校に競技の部活がある学校を「連携校」、学校に競技の部活がない学校を「関係校」と位置付ける。軟式野球は拠点校を湯川中とし、連携校を戸倉中、旭岡中、関係校を深堀中、銭亀沢中、恵山中、椴法華中、南茅部中、戸井学園の6校とする。サッカーは拠点校を戸倉中とし、連携校を湯川中、旭岡中、関係校を恵山中、椴法華中、戸井学園の3校と指定。
活動は、原則休日3時間程度(土・日曜どちらか一日は休養日)とし、夏休みは平日も活動するが、休みを平日、休日各一日取る。平日は自分の学校で基礎的な練習に励み、休日は拠点校で実戦を中心とした練習を行う。
拠点校への移動は徒歩や自転車、公共交通機関、保護者の送迎とするほか、一人一台端末などを利用し出欠や活動日程を連絡する。
会費は軟式野球、サッカーともが年間5000円だが、今年度は年度途中のため両部とも3000円を参加者が拠点校に支払う。
中体連への大会参加は、市拠点校チームと分かる名前で出場する。
軟式野球の部員数(5月1日現在、1、2年生のみ)は、湯川中8人、戸倉中12人、旭岡中6人の計26人。サッカーは戸倉中7人、湯川中14人、旭岡中2人の計23人で、単独では難しい実戦形式の練習も他校から参加できると可能になる。
市教委教育政策課は「今年度はモデルケースを実施し、課題や改善点を検証した上で、種目や拠点校の拡大を検討する」としている。(山崎大和)