市立函館保健所は15日、市内の店舗で新型コロナウイルス感染のクラスター(感染者集団)が発生したことを明らかにした。道南でのクラスター発生は初めて。同保健所は同日、市内居住の20代男性2人、30代の男女各1人、40代男性1人=いずれも職業非公表=の5人が、新たに新型コロナウイルスに感染したと発表した。
同保健所によると、5人はいずれも13日に判明した市内在住の男性(年代、職業非公表)の濃厚接触者。このうち4人と、市外で感染が確認された2人の計6人は、13日に判明した男性と共に市内の同一店舗にいて感染した。店の業種や、それぞれの感染者が客か従業員かは明らかにしていない。この店は、消毒やドアの開放による換気はしていたが、マスクの着用が徹底されておらず、感染対策が不十分だった可能性があるという。
市衛生試験所での検査で、20代男性のうち1人は15日、他の4人は14日に陽性を確認。5人はいずれも無症状で、15日に市内の指定医療機関に入院した。海外渡航歴や流行地への旅行歴はなく、それぞれの濃厚接触者は調査中。市内での感染確認は8日連続で、函館市での感染確認は計27人となった。
会見で同保健所の山田隆良所長は「市内で小規模ながらクラスターが発生したと考えられる」とした上で、「体調が悪い場合の外出や3密を避けるといった予防対策や各事業所による感染対策のガイドラインの確認が大事。市中感染が拡大しないよう努めたい」と述べた。(山田大輔)